AIやビッグデータを活用した投資信託による資産運用(国内株式編)

AIAI

一昨日・昨日はつみたて投資をしてみることにした海外株式のAI投信の記事を書きました。

今日はつみたて投資を申し込んだ国内株式に投資をするAI活用型投資信託の記事です。

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2つのタイプの国内AIファンド、通常型と絶対収益(ロング・ショート)型

国内株式で運用するAI投信には2つのタイプがありました。

一つ目は、AIに銘柄を選定してもらい個別株に投資をすることにより収益を狙うファンドです。AIの力を借りて銘柄を選定する、普通のアクティブ型投資信託です。

二つ目のタイプとして、先物のショート(売り)取引を織り交ぜることにより株価の上昇局面でも下落局面でも収益向上を狙うロング・ショート型のファンドがありました。いわゆる絶対収益を狙うヘッジファンドです。

ファンドに先物売りを織り交ぜることにより、株価が高い時に先物を売り、株価が下がった時に売った先物を買い戻すことにより株価の下落局面でも収益を上げることが出来ます。
個別の銘柄を買い、株価指数(TOPIXや日経平均など)の先物売りの量をコントロールすることにより株価下落のリスクをヘッジし、株価の下落局面の損失を限定的にする、あわよくば利益を出そうというのが先物売りを織り交ぜる目的です。

売りを含むファンドは、他にも色々な呼び方がありショート型と言ったりベア(熊)型と言うこともありますね。熊は攻撃するときに手を上から下に振りかざす事から株価の下落のことをベアと呼びます。

反対に買う方はロングと言ったりブル型(牛)と言います。牛は角を下から上に突き上げて攻撃することからついた呼び方だそうです。

最近ニュースになっていましたが、ベア型の投資信託の売れ行きが好調なようです。NISA等でベア型のファンドを買っている人もいるようで、おじさんが読んだ記事は問題視していました。なんだか恐ろしいように思いますが、皆様はくれぐれも慎重な資産運用を行ってください。

また、銀行もかなりの量のベア型ファンドを保有しているようです。銀行がベア型ファンドを決済する(すなわち売っていた先物を買い戻す)時、株価の上昇相場が訪れるのではないか?という近い将来の株高を期待する記事でしたが、個人的にはそんなに都合よく株高を演出できるのか疑問に思っています。

さて、話が横にそれましたが、3回にわたって書いた今回はAI活用型投信開始の最後の記事です。国内株式のAI投資信託について記事にします。

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運用を開始する国内株式のAI活用ファンド

楽天証券でAI、ビッグデータ等で検索し、リストされた次の銘柄を運用していきます。

つみたて投信は22日で設定をしました。無事にすべてのファンドの買付が完了しています。

銘柄投信の種類運用会社買付手数料管理費用成功報酬
ニッセイ日本株AIセレクトファンド(資産成長型)国内株式ニッセイアセットマネジメントなし1.133%なし
ビッグデータ活用 日本中小型株式ファンド (B・D・F)国内株式アセットマネジメントOne3.30%1.694%なし
楽天・ビッグデータ日本株ファンドロング・ショート型楽天投信投資顧問なし0.99%上昇の17.6%
MASAMITSUデータセレクション・ビッグデータファンドロング・ショート型ファイブスター投信投資顧問なし2.035%上昇の22%
AI日本株式オープンロング・ショート型三菱UFJ国際投信2.20%1.32%なし
eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)国内株式三菱UFJ国際投信なし0.15%なし

上の2つはAIが銘柄の選定をして、買付・保有・入れ替えを行い収益を目指すファンドです。
楽天証券では、ニッセイアセットマネジメントとアセットマネジメントOneの商品を取り扱っています。

その次の3つのファンドは、先物売りを織り交ぜたロング・ショート(ブル・ベア)型のファンドです。楽天証券では、楽天投信、ファイブスター投信、三菱UFJ国際投信のファンドを扱っています。

最後の平均値を追い求めるファンドの代表には、我らの味方、低管理費用を追い求めるインデックスファンドシリーズのスリムさん(eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX))にご登場いただきました。

これをベンチマークとして、AIの能力をモニターしていきます。

三菱UFJ国際投信はAIとインデックスの両方のファンドに登場頂きました。どちらに軍配が上がるのか、興味があるところです。

それでは、個別のファンドを紹介していきます。

ニッセイ日本株AIセレクトファンド(資産成長型) (ニッセイアセットマネジメント)

これは、2018年の8月に登場した新しいファンドです。

買付手数料なし、管理費用は1.133%とアクティブ投信としては良心的(?)な設定です。

ファンド設定後初めの数か月で純資産は3000万円に達しましたが、その後純資産は全く伸びていません。むしろ減少しており、2019年11月22日現在の楽天証券Web Siteでは純資産2500万円です。

資産2500万円では、投資できる銘柄も限られてしまいますので、まともな運用は出来ていない可能性があります。おじさん個人の株式・リート運用額よりも少ないです。

運用結果は、株価の下落が激しかった去年の秋から今年の春の相場は上手く乗り切った感があります。その後は成績が降下し、現在ではファンド設定時からのチャートでは平均点を少し下回る状況で推移しています。(下記チャートは楽天証券より)

ニッセイのAI投資信託は資産成長型を謳っていて、分配金を出すのも年1回とのこと。AIの評価関数は、長期的に有望な銘柄にしているものと思われます。

したがって、短期の基準価格の値動きで判断するのは時期尚早です。

管理費用も比較的低いので、何かの拍子に当ファンドが注目されて資金が流入し、AIで色々な事を試せるようなっていくことを期待します。

2019年10月末の当ファンドの月次レポートにある組み入れ上位銘柄は次のようになっています。

目論見書など過去の組み入れ銘柄を見てみると、時々銘柄の入れ替えを行っているようです。

気になっている銘柄がこの中にあれば、AIもそうなのだからと個別株に投資を行う理由付けにしてもいいですね。

ビッグデータ活用 日本中小型株式ファンド (B・D・F) (アセットマネジメントOne)

続いては、アセットマネジメントOneのAI活用ファンドです。

買い付け手数料3.3%とかなり強気の設定をしています。管理費用も年間1.694%とニッセイと比較して強気の設定です。

中型・小型株を中心に運用するファンドですので、ニッセイのファンドとは土俵が少し異なります。

当ファンドは、2018年1月には270億円もの純資産がありましたが、2019年11月22日の楽天証券Web Siteでの純資産は82.13億円に激減しています。

純資産の減少は、投資信託は「低コストのインデックスファンドで」という考えが浸透してきたのが原因でしょうか?

投資実績も、残念ながら2017年10月基準のチャートでは中小型株の平均を下回っています。

2019年10月31日の月次レポートによる、組み入れ上位銘柄は以下の通りです。

オリエンタルランドや日本電産、東レや任天堂は大型株には入らないのでしょうか?

ニッセイのAIファンドとは組み入れ銘柄が全く異なりますね。中小型株と銘打っているだけあり、知らない会社も多く含まれています。バイオや医療に投資するようにAIは解を出しているようです。

楽天・ビッグデータ日本株ファンド (楽天投信投資顧問)

2019年4月に設定した新しいファンドです。買付手数料なし、年間管理費用0.99%と比較的低ロードですが、ハイ・ウォーターマーク方式という成功報酬が規定されており、乱暴に言うと価格上昇の税込み17.6%の成功報酬を払うことになります(一度でも価格が上がったら、その価格までの成功報酬を払うルールです)。

純資産額が11月22日の楽天証券Web Siteで6400万円となっています。下の緑が純資産額ですが、既に純資産額は飽和していますね。

上のチャートを見ると値動きが他のAIファンドやインデックスファンドと比較して非常に小さいです。そしてあまり利益を出せていません。

これは、ヘッジとしての先物売りを掛けすぎているような気がします。株価の上昇局面でも先物売りがあるために利益を出せず、株価の下落局面でも個別銘柄の株価が下がる影響で利益を出せず・・・、ただ両建てしているだけのファンドに思えてしまいます。

このままいくと、ただただ手数料を吸い上げられるファンドと思われてしまいますので、ぜひともせっかくのAIをフルに活用し、利益を出すようなポートフォリオを組んでいってほしいと思います。

2019年10月31日の月次レポートは下記のようになっています。

せっかくのAIを使っているのに、ヘッジが大きすぎて値動きがないというのは本末転倒です。AIの性格ではなく、ファンドマネージャーの性格が表れていそうです。絶対収益を目指すAIファンドですし、ファンド自体も成功報酬をもらいたいはずですので、今後の飛躍に期待します。

MASAMITSUデータセレクション・ビッグデータファンド (ファイブスター投信投資顧問)

AI投信の老舗のようです。2015年に運用を開始しています。

買付手数料はありませんが、管理費用が年間2.035%と今回の国内ファンドの中では最もコストが高いです。また、ハイ・ウォーターマーク方式の成功報酬が規定されており、利益に対して22%の成功報酬を支払うことになります。管理費用も高く成功報酬も高いという、強気な設定のファンドです。

次に純資産額です。2015年11月に26.4億円あった純資産額は、2019年11月22日現在の楽天証券Web Siteでは5.5億円に減少しています。コストが高いのか低パフォーマンスの影響か、資産の流出が続いています。

ずっと分配金は支払っていませんでしたが、2017年から分配金を支払うようになってしまいました。運用効率を考え、分配金の支払いはなるべく頻度や金額を少なくしてもらいたいものです。

パフォーマンスは良くないです。2018年~19年には、株価指数は大きな上昇と下落が何回かありましたが、当ファンドはだらだらと基準価格を下げ続けています。ここ2ヶ月くらい、ようやく基準価格は上昇に転じています。

下記は2019年10月31日の月次レポートにあった長期のチャートです。参考指数はTOPIXですが、今のところぼろ負けしています。

上昇局面に乗れず(無駄に売っている)、もみ合い局面で下げています。ここ2ヶ月の基準価格の上昇も、TOPIXと比較すると波に乗れていません。

組み入れ上位の銘柄です。他のファンドと異なり、大型株は上位には出てきません。また、2019年3月の組み入れ上位銘柄と全く異なっています。銘柄選択のスパンは数か月から1年のようです。投資信託というより、投機信託に近いファンドかもしれません。

2019年10月末月次レポートの組み入れ上位銘柄
2019年3月末の組み入れ上位銘柄

ロング・ショートの比率の推移です。株価上昇局面ではショートが邪魔をして上手く波に乗れず、株価下落局面ではショートポジションを上手く使えずに基準価格は下がってしまう・・・というのが最近の実績でしょうか?

なんだかあまり上手くAIが機能していないように感じますが、アルゴリズムのアップデートを行っているようです。10月末の月次レポートによると、今後に期待を持てるかもしれません。

期待しながらつみたて投資を続けていきます。

月次レポートより

AI日本株式オープン (三菱UFJ国際投信)

3番目のロング・ショート型のAI投信です。

買付手数料はなく、管理費用は年間1.32%です。成功報酬はありません。

2017年2月に当AI投信は運用を開始。2017年7月には128億円を集めるほどの人気だったそうです。しかしその後すぐに純資産額は減り始め、2019年11月22日現在の楽天証券Web Siteでは純資産額は48.8億円です。

基準価格はというと、何かの見間違えかと思ってしまったほど、一貫して順調に下がり続けています。

これはもう、AIの作り込みが何か間違っていると考えるのが自然でしょう。

2019年10月31日の月次レポートによると、上位組み入れ銘柄は次のようになっています。

「安定”高”配当」の銘柄を中心にしたモデルで運用しているようです。ただし、配当利回りは東証一部平均を下回っています。

高配当株は、総じて2018年度以降軟調ですので、このモデルを選ぶこと自体AIの設定がおかしい気がします(人間が選んでいる?)。AIの助言結果もほとんど間違っています。

まだ純資産は50億円弱ありますので、運用会社の責任は大きいです。手数料で儲けて喜んでいる場合でもなければ、投資家に対して自己責任ですと責任を放棄している場合でもありません。

AIアルゴリズムをしっかりと再検討して、絶対収益を目指すファンドに生まれ変わるのを見届けたいので、ファンド担当者にはぜひとも頑張っていただきたいと思います。期待しています。

今のままでは「絶対損失を目指すファンド」となってしまいます。

eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX) (三菱UFJ国際投信)

さて、特別な期待はしません、とにかく平均点を目指します。低管理費用で今日も頑張るスリムさんをAIへの対抗馬として積み立てていきます。

東証一部のインデックスには、広く使われているものとして日経平均とTOPIXがあります。

日経平均は、ユニクロやファミマなど指数への関与度合いが高い銘柄があります。日経が選ぶアクティブファンドに近いイメージがありますので、ザ・平均であるTOPIXを選ばせていただきました。

純資産額は順調に増加しており、2019年11月22日の楽天証券Web Siteでは121.9億円になっています。

あまりに衝撃的なチャートを上で紹介し続けたため、スリムさんのチャートを見るとホッとしてしまいます。

2019年10月31日の月次レポートです。上位組み入れ銘柄は次のようになっています。

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AI活用型国内株投資信託の投資方針

海外株式と同様、毎月22日に100円ずつ積み立てていき、TOPIXとの比較をしていきます。

AI投信の比較もしてみたいです。連続して良いAIが出てくるのか、パフォーマンスの良いAIファンドは同じなのか毎回変わるのか?等々興味があります。

断っておきますが、おじさんは基本的に投資信託はインデックス派です。

このAI株は、テクノロジーとしてのAIの可能性に興味があり、行うことにしました。

モチベーションは探求心です。

AIが全然ダメでインデックスが最高!という結論になりそうなニオイがプンプンしていますが、それではカッコ悪いので、1つのファンドだけでも良いので、常に他を圧倒するパフォーマンスのAI投信が出てきてくれればいいなと思っています。

それでは、


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